北川 私、三重県議会はたぶん日本一だと自負しているんです。
堀田 ほぉー?
北川 これまで名答弁と言われてきた「前向きに検討します」なんていうのはもうやめよう、真正面からぶつかれと。「県議会のみなさんにご理解いただけないようで、一八五万県民の理解がどうして得られますか?」と。それを議会の方も正面から受け止めてくださって。
堀田 (うなずく)。
北川 予算を決める過程で、県がやる仕事を大きく六つに絞って、その観点から三二〇〇の事務事業全部を見直したら、二七五、不要な事業があって、それで、「県議会のみなさん、どうですか?」とご提示しました。私どもの県議会は県民やマスコミにも全部オープンなんですが、そこで「絶対要らない」という総務部長と、事業の担当部長が、みなさんの前で大げんかするわけですよ。
堀田 そうですよねえ。担当部長さんだって必死でしょうから。
北川 庁内不一致ですから、当然、私の政治責任ということにもなりますよね。でも裏に隠れたやり方は知事の権力の源かもしれませんが、それはもういい、やめようと。ところが実は、その事業のほとんどが補助金、医師会とか労働組合、農協など名だたるところ。
堀田 それじゃあ、もうますます大変だったでしょう。相手にまわすと恐いところでしょうし。
北川 ええ、ずいぶん叱られました。県議会でも、議員の方は五三名ですが、53対0で負けるかなと途中覚悟を決めたこともありました。でも、何回もお話しして、最終的に53対0で二〇二本が廃止と決まったんです。