「そのためにも『CO・CO(ココ)湘南台』は地域に開放し、地域の中で役立てもらうつもり。地域に貢献しながら、日常生活の上でもそれぞれ役割を持って刺激のある生活を送ることで、要介護への予防になる」と西條さん。仮に介護が必要になった場合は、公的介護保険の給付を受け、提携する医療機関や市民団体など、地域の社会的資源をフルに活用して対応するということだが、このホームでは、現段階では、要介護を前提とした計画は立てていない。
設立主体である非営利団体の『COCO(ココ)湘南』を構成するのは、建築家・医療関係者・福祉関係者・編集者・システム研究者・学識経験者などで、職種も年齢(四〇代〜七〇代)もバラエティーに富んでいる。実は、このグループホームは、彼らが「バリアフリー高齢者住宅研究会」を九六年に発足させて会合を重ねる中で、自然に生まれてきたもの。入居予定者一〇人のうち西條さんを含めて三人は同メンバーだ。『COCO(ココ)湘南』では、NPO法人の申請もし、今後も市民活動として地域について考えていくという。全国でも同様の経緯でNPO法人の申請をした団体が現在三団体。芽生えた機運は着実に実行へと結び付いている。