日本財団 図書館


011-1.gif

持ちネタは現在88本。見れば見るほど、なぜかシミジミとおもしろい。

 

011-2.gif

上演前からすでに、席取りをする人が沢山。

 

011-3.gif

司会者の絵柄の画面が現れ、くり抜かれた顔の部分からピカさんが顔を突き出し、上演の挨拶をする。

 

収入も激増しましたが、それ以上に人に見られる快感に酔いました」。ピカさん、人生の輝ける瞬間である。ところが…。「昭和天皇のご逝去で自粛ムードが高まり、一気に仕事がなくなってしまったんです」

しかし失業しても、ホコ天体験が忘れられなかったピカさんは、いつしか創作パフォーマーとして生きていくことを夢見るようになる。

「最初は自己顕示欲。だから、おもしろければいいとしか考えなかった。でも、暇にまかせて、チャップリンや黒澤明の映画をむさぼり見るうちに、見せかけの楽しさや作られた笑いではなく、笑いの中に鋭い批判があり、人間の複雑な描写を描く…。そんな作品を自分も作って世の中に訴えたい。そう考えるようになったんです」

お笑いよりもシリアスなパフォーマンスのアイデアをノートにつづりはじめたピカさんは、DJの職に就く傍ら、代々木公園で自作の無言劇を披露したり、池袋の小劇場で一人芝居を上演。だが、あまりにも難解すぎたのだろう、どれもいまひとつパッとしなかった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION