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無償のボランティアグループから有償性の団体に発展

 

『ねっとわーく アミダス』の設立は昨年の六月だが、脊古さんがその前身となるボランティアグループをつくったのは、すでに三年以上も前のこと。脊古さんが口コミ誌に発信した「人生に大切なことを考える会に参加しませんか」という呼びかけに呼応したメンバーで勉強会を始めたことがその発端である。

「子育ても終わって自分自身の老後のことを考える余裕ができた時、ふと、思ったんです。子供や孫の存在しか生きがいがないような寂しい老後を送りたくはないし、彼らの重荷にならずに、自立して生きていける世の中になってほしいと。それで仲間を募って高齢社会についての勉強をしてみようと考えたんです」と、脊古さんは当時を振り返る。

そして勉強会を重ねるうちに、「自分たちが、今世の中のために何ができると思う?」という声がメンバーから上がるようになり、「老人ホームのお年寄りたちを元気付けよう」と特別養護老人ホームで話し相手などのボランティアを開始。さらに、特養が行政から委託されている一人暮らしのお年寄りなどへの配食サービスも会で請け負うようになっていった。

「みんな人の役に立ちたいという思いも強かったし、ボランティアをすることは、私たち自身の生きがいにつながりました。でも、配食サービスを請け負うことになったからには、話し相手のときと違って、個人の都合で勝手に休むわけにはいかない。ところが、無償のボランティア活動だと、どうしても無責任になりがちだし、継続性もない。これには頭を痛めましてね。それで、有償制を取り入れて組織化しようと決めたんです」

 

 

 

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