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(3) CS調査の手順

前述のように、顧客満足度を向上させるためには、体系的な顧客満足度の調査・分析が必要である。CS調査に当たっては、次の事項を決定する必要がある。

1] 調査目的の設定

顧客満足度の調査結果に関しては、前述の通りデータをどのように分析し、商品・サービスの企画・開発や改善等にどのように活用するかについて、事前に十分な検討を行う必要がある。また、商品・サービスの企画・開発を行う場合には、調査前にある程度、仮説を立て、立証するような対象・調査項目を設定する必要もある。

2] 調査対象

調査対象に関しては、潜在的な問題点を明らかにするために網羅的に調査を行う場合もあるが、前述のように「投資効果に応じたターゲットの決定」を行う場合には、顧客の属性(年齢層、収入、居住地域、利用商品・サービスの属性、その他)に応じた分析が行えるように属性毎にある程度のデータ量を確保するなど、ある属性の顧客のみに対象を絞って調査を行うことが必要となる。

3] 調査項目

調査の目的に応じて設問設定の必要があるが、顧客満足度の推移を分析するため、ある種の設問について毎回設定したり、潜在的な問題を発見するために定期的に網羅的な調査を行う等、CS調査を長期的な視点から捉え、効率的、体系的な実施が重要。

4] 調査手法・手段

大規模なアンケートによる定量的調査、個別ヒアリングやグループインタビューによる定性的調査等、調査目的に応じて調査分析手法を選定する必要がある。アンケート調査に関しては、近年はインターネットを活用することにより、調査の効率化を図ることも可能となっている。ただし、インターネット上での商品・サービス販売等のケースを除けば、多様な顧客の中の「インターネット利用者」という属性を持った顧客データとなるため、インターネットがさらに普及し誰もが容易に利用できる通信手段になるまでは、CS調査の手段としては用途が限られることとなる。

5] その他

調査対象が顧客であることから、調査によって顧客満足度が下がることのないよう、調査による顧客の負荷の低減・適切なメリットの設定、調査結果の流用や漏洩の防止、調査結果の積極的な反映等に心がける必要がある。

 

 

 

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