これは日本国内に限ったことであり、米国では簡単にはクレジットカードは作成できない。米国では、ソーシャルセキュリティナンバーと呼ばれる番号が、国民一人一人に割り振られており、銀行の預金や土地の購入などによって、このナンバーの価値が次第に上がってゆく。そしてある一定の水準まで達すると、クレジットカードの作成が認められるようになるのである。この評価は、家賃の滞納などがあると下がってゆくため、年齢や過去の社会的地位などに縛られない流動的な評価であると言えよう。このため、未成年や学生がクレジットカードを持つことは困難であり、クレジットカード自体の信頼性も日本より高いものになっている。ソーシャルセキュリティナンバーの価値に関係なくクレジットカードを作成するためには、デポジットとしてカードの利用限度額分を予め預けておかねばならない。しかし、この場合であっても、クレジットカードを身分証明書代わりに使用するにあたってのセキュリティ問題は解決できているとは言えないのである。
(2) 次世代型個人認証方式
前節における前提をふまえて、ワンストップサービスにおける個人認証には、その正確さと安全さが要求される。
そのためには、公的機関が発行する証明書で、国民全員が所持しているものが必要となるのである。これは紙幣の判別と同様、電子的に、また人間の目によっても偽造を見破ることが容易でなければならないため、共通形式であることが望ましい。そして、電子化されていく社会に対応するため、電子的なデバイスにより確認が行えるものであるという条件を満たさなければならない。
国民の身分証明書としては、2-1-3節で説明されているICカードを使用することが現時点で最も望ましい解決策であると考えられる。コンビネーションカードは、演算用のチップと記憶メモリを内蔵しており、接触型、非接触型のどちらでも共通のユーットを使用可能である。この内部に国民の各人を証明するデータを格納しておけば、盗難、紛失による被害も最小限に押さえることが出来ると考えられる。
認証用のデータに関しては、図2-7のようにデータを圧縮するためにハッシュ(2-2-2参照)などの関数を用いることが望ましいだろう。これにより、ICカードのメモリ内に格納する認証用パターンデータのサイズを小さくすることが出来る。ただし、データサイズが小さくなると言うことはそれだけ認証の信頼性が低下するということになるので、データサイズと実用的な認証条件の比較実験を繰り返し行うことが重要である。