電子化された台帳は、人口割合で見ると実に99%を超えている。
しかし、これまでは各市町村がそれぞれ固有事務として独立に事務を行っており、コンピュータシステムも個別に運用してきた。そのため居住地以外の市町村役場で住民票を取得するといったことは予定されておらず、一部事務組合等を構成し圏域内のどの市町村でも住民票等を取得できるサービスを行っている例はあるが、その数は限られている。
住民基本台帳ネットワークシステムは、全国全ての市町村及び都道府県を電気通信回線で結んだネットワークシステムであって、各市町村が管理する住民基本台帳に基づく本人確認情報(住民票コード、氏名、住所、生年月日、性別及びそれらの変更情報等)をネットワーク上で電子情報として保有し、市町村や都道府県の区域を越えた住民サービスの提供を可能にするほか、国の行政機関で行われている恩給の支給などの給付事務や不動産鑑定士の登録などの資格管理において、住所確認のための住民票の添付を省略できるなど、国民の負担の軽減、行政事務の簡素化・効率化を図ることができる。
また、このネットワークにおける本人確認を確実に行うために、高いセキュリティ機能を有するICカードを採用し、これを住民基本台帳カードとしてシステムの基本的な構成要素のひとつとしている。
以下、現在までに自治省が公表している事項を中心にシステムの概要を記述するが、システムの開発は、平成14年夏の全国一斉稼動をめざしてこれから基本設計に着手することになっており、詳細仕様を検討していく過程で大幅な変更もありうるものである。
2] システムの構成及び整備・管理の主体
住民基本台帳ネットワークシステムの概念を図1-1に示した。
システムの構成をネットワーク構成から見ると、全国ネットワーク、都道府県ネットワーク及び既存住基システムの3層の構成になっている。
全国ネットワークは、全国センター及び全国センターと各都道府県を結ぶ電気通信回線からなる。ここで全国センターとは、住民基本台帳法第30条の10に基づき自治大臣の指定を受けた「指定情報処理機関」にあって、本ネットワークシステムに係るホストコンピュータを設置するなど実際の情報処理を行う組織である。
指定情報処理機関は、都道府県知事の委任を受けて本人確認情報処理事務を行うもので、平成11年11月1日に財団法人地方自治情報センターが指定を受けている。
都道府県ネットワークは、各都道府県ごとに設置されるもので、都道府県サーバ、県内市町村のコミュニケーションサーバ及びそれらを結ぶ電気通信回線からなる。