次の事柄をよく守って、ガス中毒を起こさないように注意すること。
1] 狭い場所や換気の悪い場所での溶接やガス溶断作業では換気を十分にすること。
2] 保護具が必要なときは必ず正しく着用すること。
3] 少しでも異常を感じた場合は、早くその場を退避し、上司に知らせること。
4] 安全性が確認されるまでは絶対に危険な場所に立ち入らないこと。
5] やむを得ず(人命救助等で)立ち入る場合は必ず2人以上で、定められた呼吸器やマスク、保護衣等を用いると共に、他の人に監視してもらうこと。
8.3 有害物の取扱い
有害物は、生産現場だけでなく、事務職場で使われる設備や品物にも入りこんでいることがある。多くは少量では病気になることもないため、安易な気持ちで使われていたりする。体温計の水銀のように、子供のときから身近に接しているため、大量に扱っても、つい平気で直接触れたりする。また、家庭で使われる接着剤にも溶剤が入っていたりするために、シンナーの匂いがしても、あまり気にしない人が多い。しかも多くの有害物は、慢性的に健康に障害を及ぼすので目立たないために気が付かない。仕事では毎日同じものを取り扱うことが多い。毎日扱わなくても、毎日働いている職場を汚染すれば、長い間に健康を蝕むことになる。有害物に対する指示は細心の注意が必要である。
1] 有害物を飛散させたり、床にこぼしたりしてはいけない。少しぐらいはという気持ちがいけない。例えば、洗油や機械油を平気で床にこぼす人がいる。
2] 有害物の入った容器(入っていた空き缶も)は密閉し、有害物が飛散したり、ガスが発生しないようにすること。
3] 有害物を勝手に持ち出したり、他の職場へ分けたりしないこと。汚れ落しに便利だからということで、いつのまにか全職場へ持ち出されていた工場もある。
4] もちろん直接手で触れてはならない。しかし、気が付かないうちに身体に付着していることがあるので、作業した手でタバコ等を吸わないこと。
5] 作業服は目に見えなくても汚染していることがある。そのままの服装で食事をしたり、家へ帰らないこと。
6] 局所排気装置、全体換気装置や保護具は、定められたとおりに活用すべきで、自分の感覚だけで使用を判断しないこと。
7] 作業後の清掃では、有害物を扱ったときには、特に厳重に励行すべきで、仕事中の直接的な侵入より、ほこりや汚れからの間接的な侵入の方が気が付かないために危険である。
8] 有害物の表示や注意は、勝手に移動させたり、汚したり、他の障害物で見えなくならないように注意すること。