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3] スプレー塗装は、前項の理由で塗装庫、危険物貯蔵所近辺では実施しないこと。

4] タンカー等で作業する場合の安全靴は、単なる機械的衝撃からの保護だけでなく、帯電防止(人体を接地する。)型を使用すること。(その接地抵抗は、1MΩ以下であること。)

参考:人体の大地に対する静電容量は、90〜300pFの範囲であるが、帯電電荷が多くても、殆ど本人は自覚できないので、異常な高圧に達する可能性があり、電子部品(特にMOS形半導体)の絶縁破壊、可燃ガスへの引火の原因になる。また、静電容量が小さいほど、同一電荷でも発生電圧が高いことに留意すること。

5] 電気的に接地されていない表面形状の大きいもの、例えば球体の良導体は、帯電電荷が大きくなり易く、異常な電圧に達する可能性があるので、それらの運搬や取り外しの作業は、接地して放電させた後に、実施すること。

6] 船舶に設置されているアンテナは、落雷の有無だけでなく、雨、霧等の自然現象による帯電や噴出蒸気の雰囲気でも強力な静電気が発生する場合があるので、アンテナ及びアンテナ切替スイッチ等に不用意に触れないこと。

表5.3.1は人体に静電気が帯電したときの放電による電撃を示す。

マイクロ波ダイオード等は帯電した手で触れると破壊するので人体から放電をしてから触れる必要がある。

 

表5.3.1 人体帯電と電撃の程度(オーム社、「静電気ハンドブック」より抜粋)

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(注) 人体の静電容量:90pFの場合の例

 

 

 

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