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第4章 感電災害及び電気火災の防止

 

4.1 感電とは

4.1.1 感電の危険性

静電気による電撃を含め、体が電気に触れて何らかの生理的変化を起こす現象を感電という。

感電の危険度は電圧の高低には直接関係なく、主として次の条件によって決まる。

1] 電流の値

電撃を感じる最小電流は、60Hzの交流で約1mA、電撃の苦痛に耐えられる限界電流は7〜8mA、運動の自由を失わない電流はおおよそ10mA〜15mAといわれている。表4.1.1.に電流の大きさに対する人体への影響を示した。

 

2] 電源の種類

最も危険性の高い電流は、50Hz又は60Hzのいわゆる商用周波数付近で直流や高周波の電流になると危険度は低下する。

 

表4.1.1 電流の大きさに対する人体への影響

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中央労働災害防止協会編「安全推進員必携」より

 

3] 電撃時間

電撃時間は、長いほど危険である。表4.1.2に手から手へ又は足から足へと通電した場合の電撃時間と危険接触電圧及び危険電流(人体の抵抗値の最小を500Ωと仮定した場合)との関係を示す。これによると1秒間というごく短時間通電した場合でも、90Vぐらいの電圧で、180mA程度の電流となり危険であることが分かる。

 

 

 

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