1) 「物」は、機械・設備や工具等のような物体だけでなく粉じん、ガス、蒸気や騒音等の人に危害を与えるものを示し、更に「物」の要因としては必要な設備が無かった、老朽化していた、危険な物の置き方あるいは積み方をしていた、作業環境に不備が見られたなど、事故を起こしそうな状態とか事故の要因を作りだしているような状態を「不安全な状態」として示している。
例えば、機械の回転部分に安全カバーが取り付けられていないあるいは取り付けられていても壊れているといったことは、「不安全な状態」である。
2) 「人」は、作業者及び第三者を示している。
「人」の要因としては、作業手順を守らなかった、知らなかった、気が付なかった、技術が未熟であった、疲れていたなど、事故の要因を作りだしている人の行動を「不安全な行動」として示している。
例えば、クレーンによる玉掛け作業で合図を誤認した、吊り荷に押されて転落したなどは「不安全な行動」ということになる。
労働省の調査によれば災害の約80%は「不安全な状態」と「不安全な行動」が絡み合って発生していると報告している。
3) 災害を防止するためには今一歩進めて不安全な状態と不安全な行動の背後に潜む「なぜ不安全な状態があったのか」、「なぜ不安全な行動をしたのか」を明らかにすることが大切である。この要因を図1.2.1では「安全衛生管理上の欠陥」として示している。