両機がそれぞれabの百分率速度でobの負荷を分担しているものとする。そこで、負荷が減少すると原動機の速度は、それぞれ曲線A及びBに沿って上昇する。このとき、両機の速度[%]が同一となるcd=efで新しい負荷負担となり、A機の方はof、B機の方はodの負荷を分担する。
図2のように速度特性が異なるときは、負荷が減少した場合、速度が大きくなるB機の方がA機より多く負荷を分担する。逆にob[%]より負荷が増大した場合、速度が大きくなるA機の方がB機より多く負荷を分担する。
従って発電機の並列運転中、負荷が増減しても発電機定格負荷に比例した負荷分担を自動的に行わせるためには、原動機の速度特性(ガバナー特性)を完全に一致させる必要がある。実際にはこの条件を満足するのはむづかしいので、原動機の速度特性の不揃いによる負荷分担の不均衡について一定の余裕が認められている。
図2によって負荷がob[%]からoh[%]に変化した場合、分担すべき負荷oh[%]に対する変動はA機で−fh[%]、B機で+hd[%]となる。
この負荷分担の変動[同図の−fh及び+hd]の制限値は船舶設備規程では発電機の定格負荷の±15%未満と定められている。
並列運転試験では各発電機の負荷が75%となるよう調整し(図2のb)あとは調整しないで負荷を20%から100%の間に順次増減させて負荷分担の状況を確認する。