一方、図5・6 はトランス結合増幅回路と呼ばれるもので、トランスで次段と結合している回路である。PNP形トランジスタを用いているので、電源の極性は図5・2 の場合の逆になっている。この場合は、負荷がインダクタンスであるため、直流に対する抵抗分は小さいが、交流に対しては極めて大きくなる。したがって、図5・7 のように交流負荷直線のこう配が緩やかになるので、動作点PのVCEは電源電圧に近い値となる。なお、トランスのコイルの両端には大きな逆起電力を生じ、VCEの最大値は電源電圧のほぼ2倍にも達するので、トランジスタの最大定格を超えないように注意する必要がある。