(2) 直流負荷直線
図5・2において、ICはRLとトランジスタのコレクタとエミッタ間及びエミッタ抵抗REの中を流れる。したがって、コレクタ・エミッタ間に加わる電圧VCEは、VCCからRLとREによる電圧降下分を引いた電圧となり
VCE=VCC-(RL+RE)IC (5・1)
で表される。
図5・4はエミッタ接地のVCE-IC静特性曲線で図4・23(I)と同様のものである。いま、トランジスタの内部抵抗(コレクタとエミッタ間の抵抗)が無限大なり、ICが0になったとすると、(RE+RL)中の電圧降下は0なのでVCEはVCCに等しくなる。すなわち、VCEは図5・4のB点であり、IBが0の場相当する。逆に内部抵抗が0になった場合は、コレクタとエミッタは同電位、すなわち、VCEは0となるからICは(3・1)式より
IC=VCC/(RL+RE) (5・2)
となる。これが図中のA点である。
(5・1)式の関係は図5・2の回路において、IBを0から増してゆくときに変化するICとVCEの関係を示したもので、A点とB点を結んだ直線で表される。この直線を直流負荷直線という。