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さて、図4・2 に示したような価電子の数が4個の原子はお互いの価電子を共有しあって、図4・3 のように結合することができる。同図はゲルマニウム原子の結合のようすを模型的に描いたものである。実際にはダイヤモンドと同じように立体的に結合(ダイヤモンド結合と呼ばれる。)し合い、ゲルマニウムの結晶を構成する。各原子は周囲の4個のGe原子と各々1個づつの価電子を共有しあい、あたかも8個づつの価電子をもっているかのような状態で結合している。このような状態**では電子は各原子から離れて自由に動き回ることができない。このうな半導体は真性半導体と呼ばれ、ほとんど電流を流すことができない。

 

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図4・3 ゲルマニウムの結晶構造

 

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4・1・3 真性半導体の電気伝導

前項でGeの結晶中では電子は原子核に拘束されていて自由に結晶中を動き回れないと述べた。しかし実際には熱や光などのエネルギを加えることによって、価0電子のエネルギが高くなると、その価電子は自由電子となって結晶中に飛び出していく。温度が上がれば上がるほど加わるエネルギが増し、このような電子が増加する。もしこのような半導体の結晶に電圧が加えられると、結晶は電気を導き、温度が高いほどその伝導性はよくなる。

 

 

 

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