原子核に近い、すなわち内部の軌道にある電子は原子核に強く引きつけられて原子核から離れることはできないが、最も外側にある電子(これを価電子と呼んでいる。)は原子核との結びつきがあまり強くなく、熱、光、電界などのエネルギが加わると、原子核との結びつきから離れて物質中を移動し始める。このことから導体と絶縁物とを比較すると、銀や銅などの導体の価電子は原子核との結びつきが弱く自由に動きやすいので、わずかな電圧を加えても電流が流れるが、これに対して絶縁物では原子核と価電子の結びつきが強いので、電圧を加えても電流は流れにくいということになる。