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(1) 焼入れを必要とするもの(即ち、高温から水又は油中に入れて急冷する。)では炭素綱、タングステン綱、クロム綱、KS綱等である。

(2) 折出硬化材料(炭素を含まない鉄合金を高温から急冷した後、これを適当な温度で焼もどしする。)ではMK綱、新MK綱、鋳造アルニコ、胴ニッケル 合金等がある。

(3) 焼結材料としては、金属酸化物あるいは合金の粉末を加圧型造して高温で焼く方法で、これにはOP磁石、焼結アルニコがある。

(4) JISC2502-89-永久磁石材料がある。

このような永久磁石材料はその用途が広く、拡声器、極小形発電機、マイクロモータ、計測器、受話受信器、ベル継電器、マグネチックチャック、治具、ゴム、磁石、プラスチック磁石、がん具等に使用される。

 

8・5・4 その他の磁気材料

 

用途に応じて現状では種々の種類のものができている。

(1) 高透磁率材料は初透磁率や最大透磁率が大きくてBH曲線(2・6・2参照)の立上りの鋭い材料で、これには鉄ニッケル合金(パーマロイともいう。)、鉄アルミニウム合金、センダスト等がある。

用途としては磁気増幅器、磁気しやへい、磁気録音用などに使用されている。

(2) 高周波用磁心材料は高周波用のもので圧粉心、フェライト等がある。

(3) 整磁材料は計測器等の永久磁石の磁路のすきまに分路として使用するものでサーマロイ等がある。

(4) 磁気ひずみ材料は磁気ひずみ効果を利用する材料で高周波特性がよく、ひずみ効果が著しい材料がよい。それには純ニッケル、鉄コバルト合金、アルミニウム鉄合金、コバルト等がある。

用途としては磁気ひずみ振動子として超音波の発生に用いられる。

(5) その他磁気録音材料

非磁性材料等があり前者は酸化鉄の粉末をラッカー中に均一に分散したものをプラスチックテープ上に湿布した録音テープというものであり、後者は一種の鉄鋼でありながら強磁性体ではない材料である。これにはキュリー点を常温以下に下げた綱、ニッケル、銅等の材料である。

用途としては電器機器内の鉄心押え金、がいしのキャップ、支持金具等に用いられる。

注 : 強磁性体では、温度上昇にともなって、自発磁化が減少し、ある温度になれば消失するその温度をキュリー点(curie point)という。

 

 

 

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