(3) 甲板を貫通するケーブルは、甲板上の適当な高さまで保護する。
(4) 非水密甲板をケーブルが貫通する場合にはコーミングを使用する。コーミングの高さは、デッキコーミングより高くする。
(5) 非水密隔壁をケーブルが貫通する場合は、必要に応じてコーミングやブッシングを取付ける。
(6) ある等級の耐火性を必要とする隔壁又は甲板をケーブルが貫通する場合には、耐火性を損なわない措置を施す。
12.1.3 ケーブルの切断
(1) ケーブルの切取寸法は正確に計測し、機器内での接続作業のための余長や切断するときの捨て代などを各端に1〜2m見込んでおく。
(2) ケーブルを切断する工具は一般電線用と同じでよい。
(3) ドラムからケーブルを切取る時は適当なドラム回しを使用し、ケーブルに傷やねじれを与えないように注意する。
(4) ケーブル端には、粘着ビニルテープを巻付けるなどして、適当な防湿処理を施す。
(5) ケーブルの両端には、布設を誤らないようにケーブルの種類、識別記号などをあらかじめ設けておく。
(6) ケーブルを丸束とするときの内径は、ケーブル外径の20倍以上とする。なお、ケープルを切取って床に置くときは、8の字取りを行うこと。
12.1.4 ケーブルの布設
(1) 布設時の災害の防止と作業の円滑化のため、必要に応じて足場やケーブル架設装置などをあらかじめ設けておく。
(2) ケーブルを直接引っ張る場合、損傷を与えるおそれのある箇所には、あらかじめ丸太やローラなどを当てておく。
(3) ケーブル布設は、電路付近のガス溶断・溶接・歪取り工事などの火気工事が完了した後が望ましいが、工程などの関係からやむを得ず先行して布設する場合には、焼損を受けないよう、これらの火気工事がまだ残っている箇所には十分な保護を行う。
(4) ケーブルを引張るときには、ケーブルがねじれないよう注意するとともに、ケーブルに過大の張力を与えてはならない。張力の限度は、ケーブルの種類や仕上り外径によって異なるので、ケーブル仕様による。
(5) ケーブルの曲げ半径は、その外径の10倍以上とする。なお、コーナーでケーブルを引張るときには、20倍以上とする。