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図11.11 アルミニウム二元合金の溶接割れ傾向

 

11.4.2 ティグ溶接

 

ティグ(TIG)とは、Tungsten Inert Gas Arc溶接の頭文字をとったもので、不活性ガスとしてはアルゴンやヘリウムが用いられる。これらの不活性ガス雰囲気中でタングステン電極と母材との間にアークを発生させ、そのアーク熱により母材及び溶接棒を溶融して接合する方法である。ティグ溶接の原理を図11.12に示す。

 

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図11.12 ティグ溶接法の原理

 

ティグ溶接は使用する電極及び極性により表11.2のように分けられるが、アルミニウム合金の場合には通常交流が用いられる。

ティグ溶接は母材を溶融しながら溶接棒を加えて溶接するため厚板の溶接には不向きである。しかし小回りがきくため補修溶接、小物の溶接、薄板の溶接などでは高品質のものが得られる。

最近、溶接機器のエレクトロニクス化が進み、パワートランジスタを用いたインバータ制御形式のものが現れた。この機器は再点孤用高周波火花回路が不用で、溶込み深さ、ビード幅及びクリーニング幅の制御が細かくできる上、タングステン電極がプラスとなる比率を低く抑えて限りなくDCSP(直流正極性)に近づけ、電極の消耗を低減できるなどの利点もある。

 

 

 

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