(6) 誘導障害に関するケーブル布設
一般電路と後述する妨害電路又は敏感電路が並行する場合は、妨害電路は450mm以上、万感電路は50mm以上一般電路から離して布設する。ただし、一般電路と直交する場合は、この限りではないが、機器メーカーと十分協議すること。
なお、妨害電路とは、レーダー変調器のパルス電路、送信空中線電路及び水中音響機器送波器電路、サイリスタ応用機器電路などをいい、敏感電路とは、受信空中線電路、水中音響機器受波器電路などをいう。
(7) 磁気コンパス付近のケーブル布設
磁気コンパスの近くには、ケーブルを布設しない。やむを得ず布設する場合は、回路を開閉しても、発生する磁界によって磁気コンパスの指度に影響を及ぼさない距離をとること。
(8) 船体伸縮継手部のケーブル布設
ケーブルは、できる限り、船体構造物の伸縮する部分を横切って布設することを避けなければならない。やむを得ず布設する場合には、ケーブルは、伸縮する部分の長さに応じた半径の湾曲部を設けて布設しなければならない。この半径は、ケーブル外径の12倍以上としなければならない。
(9) カーホールド内のケーブル布設
カーフェリー、自動車運搬船などのカーホールド内に、重要用途や非常用の動力及び航海装置用などのケーブルを布設することが避けられない場合には、IEC 331の試験に合格した耐熱性ケーブルを使用するか、又は、これらのケーブルをA60相当以上の防熱を施した鋼管内又は鋼製ダクト内に布設すること。
(10) 石炭運搬船貨物倉内のケーブル布設
貨物倉を通過するケーブルは気密の厚肉鋼管に収め、管の両端は倉外に出る部分で電線貫通金物などにより封鎖すること。
4.5.2 危険場所の電気設備
液化ガスばら積船及び液体化学薬品ばら積船の電気的危険場所においては、「危険物船舶運送及び貯蔵規則」の第236条及び第300条に基づいて「船舶検査心得」で使用が認められている本質安全防爆構造の電気設備及び附属書の電気設備以外使用してはならない。