(2) [広さ]
1]「9の法則」で受傷面積を推定する。
頭部 9%;上肢(左上肢) 9%、(右上肢) 9%;躯幹(前面) 18%、(後面) 18%;
下肢(左下肢) 18%、(右下肢) 18%;陰部 1%
2]手掌法
手掌が体表面の1%に相当するということで、小範囲の受傷によく用いられる。
II. 熱傷の手当(応用編(3)63頁※92P参照)
十分に冷した後は、ソフラチュール・ガーゼを、または刺激の少ない、できればステロイド剤の含まれた軟膏を、清潔なガーゼにたっぷりのばして患部にあて、熱傷部を保護する。この際、やけどによってできた水疱とかむけた皮膚は、破いたり取り除いたりせずに、そのままにしておくことである。感染の予防に抗生物質を与えておくことが望ましい。やけどをすると、血液中の水分が血管の外に出て、循環血液量が減り、血圧は下がる。これがやけどのあとのショック症状である。やけど面積が広い場合は、「ショック体位」をとらせる。意識がはっきりしていて、吐き気もなく、医療機関まで長くかかるようであれば、水分(粉末ポカリスエットやソリターT顆粒3号、あるいはスポーツドリンクなど)を少量ずつ頻回に与える。
III. 化学熱傷
酸による熱傷は、深部の傷害は比較的少ないが、いつまでも痛みが強い。アルカリによる熱傷は、湿潤性でぬめりがあり、傷は深く、痛みは激しく持続する。組織内に化学物質が残っている限り、組織の傷害を拡大するので、十分に洗い落とすことが大切である。