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実験方法は、被験者に対して大型の半球ドーム型スクリーンと映像表示装置による視野情報と、被験者が立つ台を傾斜させることによる体性感覚情報を負荷した(Figure 1)。

負荷直後の自己傾斜感覚(self-tilting perception)と頭部傾斜角度を測定した。そして傾斜刺激と自己傾斜感覚の関係について評価した。その結果から空間識失調としての錯覚・誤認現象の解明とその対策法についての検討を行った。

(1) 刺激負荷方法

半球ドーム型スクリーンと映像表示装置を用いた視野刺激と傾斜する台(モーションベース)の傾斜刺激により、視野情報と体性覚情報の矛盾した動きを被験者に与えた。

(2) 実験装置

半球ドーム型スクリーンと傾斜台は科学技術庁・航空宇宙技術研究所のフライトシュミレータの装置を用いた。これは被験者の立つ傾斜台とその前方にある半径5m、高さ6.3m、左右視野角180°の大型の半球ドーム型スクリーンから構成される。被験者の立つ位置からスクリーン以外の周辺視野は排除し得た(Figure 1)。

(3) 視野刺激の方法

映像刺激装置は、巨大半球ドーム型のスクリーンとそのスクリーン全面に、周辺視野が充分投影できる。映像のパターンは以下の2通りである。

「ランダムドット」:

星空を模したランダムドットパターン

映像(Figure 1)

「実写」:

宇宙船内部の情景を模したコンピュータグラフィック実写映像

 

 

 

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