2. 基礎律動を構成する諸要素
全対象、A群(a群、a'群)、B群(b群、b'群)の、入試時と卒業後のα波と徐波の周波数、振幅についての結果を表1に示した。
1] α波
(a) 周波数(図1)
全対象、A群、B群いずれにおいても、入試時と卒業後の周波数に変化はなかった。しかし、A群とB群を比較すると、入試時、卒業後ともB群では、最低周波数、最高周波数がA群より有意に低値であった。すなわち入試時、卒業後ともB群ではA群よりα波が低周波数であった。
さらにα波の周波数とPTWとの関係を比較すると入試時にはb群は最低周波数、最高周波数がともにa群より有意に低値であり、b群は最低周波数のみ有意に低値であった。卒業時はb'群がa群よりも最低周波数が有意に低値であった。すなわち入試時にb群、b'群はa群よりも低周波のα波がみられ、卒業後においてはb'群がa群よりも低周波のα波がみられている。
(b) 振幅(図2)
入試時と卒業後の振幅の変化については全対象についても、これをA群、B群に分類した場合のいずれにおいても、卒業後において最低振幅が有意に増加した。最高振幅は全対象、A群において有意な変化はなかったが、B群のみ卒業後において入試時よりも有意に増加した。A群とB群を比較すると、入試時、卒業後ともB群では最低振幅、最高振幅ともにA群より有意に高値であった。すなわち入試時、卒業後ともB群ではA群よりα波が高振幅であった。a群、a'群、b群、b'群では有意な変化は認められなかった。
(c) 分布(図3)
A群、B群いずれにおいても、入試時と卒業後の分布に変化はなく、A群とB群の群間比較においても有意な差異はなかった。a群、a'群、b群、b'群の比較においても有意な差異はみられなかった。
(d) 出現量
ほぼ全例、入試時、卒業後とも中等量であり、特徴的な変化は認められなかった。