2] 徐波
(a) 周波数(図4)
徐波の最高周波数においては、ほぼ全例が7Hzであったため、最低周波数のみを比較検討した。
全対象、A群、B群において、入試時に比べ卒業後で最低周波数は有意に増加していた。すなわち卒業後に徐波は高周波数に変化した。
PTWとの関連を見るとa'群を除いてa群、b群、b'群は卒業後で最低周波数は有意に増加していた。またa群とb群、b'群を比較すると、入試時でb群、b'群では、最低周波数がa群より有意に低い周波数を示した。卒業後はb'群では最低周波数がa群より有意に低い。すなわち卒業後にb群ではPTWの消失とともに最低周波数が増加する傾向を認めた。
(b) 振幅(図5)
全対象、A群、B群において、入試時に比べ卒業後で最低振幅・最高振幅は有意に増加していた。また入試時、卒業後の変化はa群において卒業後に最低振幅の有意な増加を認め、b群では卒業後に最高振幅の有意な減少を認めた。すなわちb群ではPTWの消失とともに徐波の振幅の減少を認めた。
(c) 分布、出現量
いずれも特徴的な変化は認められなかった。
(d) 後頭三角波(PTW)
入試時PTW(+)35名(19.9%)、PTW(±)18名(10.2%)、卒業後PTW(+)18名(10.2%)、PTW(±)19名(10.8%)であった。
3. 突発波(表2)
突発波ならびに入眠期過同期(hypnagogic hypersynchrony)を認められたものの一覧を表2に示した。入試時12名、入試時には認められず卒業後に初めて認められた5名、計17名に突発波を認め、そのうちの14名が徐波群発であった。入試時に徐波群発を認めた11名中5名にPTWを認め、そのうちの3名(表2のA、B、C)はPTWの消失とともに徐波群発も消失し、正常と判定された。卒業後にPTWが残存した2名中1名(表2のD)において徐波群発は消失したが、基礎律動異常が認められ、他の1名(表2のE)は徐波群発に変化はなかった。