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(2) 血圧値・血圧の変動と尿中mAlbの増加度(△mAlb)に関する検討

△mAlbの程度により、HT群を3群、少量(HT-L)群・△mAlb20μg/ml未満、中等度HT-M群・△mAlb20以上100/μg/min未満、大量HT-H群・△mAlb100μg/min以上に分けて、血圧値について検討した。HT群の3群問ではPre-mAlbには差を認めなかった。なお△mAlbは各々NT群25.2±23.1、HT-L群17.2±13.5、HT-M群62.1±18.8、HT-H群261.5±99.5(μg/min)であった。図2は上記4群における負荷前収縮期血圧値(左側)および拡張期血圧値(右側)を示している。収縮期血圧値はHT群の3群間では△mAlbが増加するにしたがい上昇する傾向がみられ、HT-H群(169±11.5mmHg)に対しHT-L群(154±8.5mmHg)と有意に高かった。拡張期血圧値は3群間で有意な差を示さなかった。次にTMET負荷中および負荷後の血圧値と△mAlbの程度に一定の関連性があるかどうか検討した。負荷後5分・最大負荷時・回復後5分の血圧値と△mAlbの程度は一定の傾向を示さなかった。そこで負荷後5分・最大負荷時・回復後5分の血圧値と負荷前の血圧値の差すなわち負荷に伴う血圧の変動(△BP)と△mAlbの程度との関連性ついて検討した(図3)。収縮期血圧においては負荷後5分・最大負荷時△BPはHT-L群HT-M群、HT-H群の順に高い値を示す傾向がみられたが、収縮期血圧の回復後5分および拡張期血圧の変動一定の傾向を示さなかった。

(3) 尿中mAlb動態と心臓合併症の関連性についての検討

高血圧の心臓合併症の指標としてLWI値を用い負荷による尿中mAlb排泄の程度の関連性について検討した。HT群の症例につき尿中Pre-Albおよび△mAlbとLVMIの相関について検討した。図4上段の散布図に示すようにPre-AlbとLVMIは有意な相関を認めなかった。しかし△mAlbとLVMIはr=0.412(p<0.01)と有意な正の相関を示した(図4下段)。さらに左室形態すなわち肥大パターンをUCGでのLVMIおよびRWTより算出し、尿中△mAlbとの関連性について検討した。

 

 

 

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