20歳代から50歳代にかけては、Moreland等色の中央値は短波長(青)側へ移行する傾向が認められたが、統計学的に有意な差は認められなかった。
図2には年齢とMoreland等色幅の測定結果を示した。横軸は年齢であり、縦軸はMoreland等色の幅を示している。年齢とMoreland等色幅との相関係数は-0.227で、Y=7.636+0.296X(R2=0.05、p=0.0784)の回帰式が得られた。加齢に伴ってMoreland等色の幅は増加する傾向が認められた。
2. コントラスト感度の加齢変化
図3〜7に、それぞれ空間周波数1.5、3.0、6.0、12.0、および18.0c/degにおける年代別コントラスト感度の平均値とその標準偏差を示した。各図ともに、横軸が年齢(年代)であり、縦軸がコントラスト感度である。図3に示した空間周波数1.5c/degのコントラスト感度では加齢変化が明確ではないが、図4〜7に示した空間周波数3.0〜18.0c/degでは、特に60歳代から著明に低下することが確認された。すなわち、50歳代までは年代による有意な差はみられなかったが、60歳代以降において、特に中〜高波長領域において50歳代以下の年代に比較し有意にコントラスト感度が低下していた(P<0.05)。また、各周波数における年代別変化については、ほぼすべての年代において3.0または6.0c/degにピークを有していた。図8にこれら各空間周波数におけるコントラスト感度の平均値をまとめて示した。図9には、年代別にコントラスト感度を示した数値でみると、空間周波数1.5c/degにおける10〜20、30、40、50、60、70、80歳代のコントラスト感度は、それぞれ25.7、28.2、30.1、28.8、25.7、23.9、20.9であり、同様に各年代におけるコントラスト感度は、空間周波数3.0c/degでは、44.2、53.6、65.7、62.5、37.6、33.6、30.0、空間周波数6.0c/degでは、55.9、65.6、65.6、62.3、18.5、26.5、32.6、空間周波数12.0c/degでは、37.9、36.8、35.3、32.8、8.8、7.4、24.1、空間周波数18.0c/degでは、30.3、31.0、33.3、28.2、9.2、7.6、11.6であった。