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CSV1000では、3.0、6.0、12.0、18.0c/degの4段階、MCT8000では1.5、3.0、6.0、12.0、18.0c/degの5段階の正弦波格子からなる空間周波数について測定が可能である。ちなみに、格子とは明暗の縞模様のことであり、正弦波格子とは縞模様の明暗(輝度)が正弦波的に変化する視標をいう。通常は、各空間周波数について順次コントラスト(縞模様の明暗)が低い視標を提示し、7個の視標の向きを答えさせる方法が採られている。今回は、下方のコントラストが高い(明暗がはっきりしている)視標から測定を開始し、順次上方のコントラストが低い視標について検査を進めた。さらに、検査器にはグレア条件下におけるコントラスト感度測定用に、グレアなしの昼間、周辺グレアありの昼間、グレアなしの夜間、中心グレアのある夜間の4種の条件が設定されている。今回は、グレアなしの昼間の条件下における各年代のコントラスト感度の変化と各空間周波数における加齢変化につき検討した。なお、測定距離は2m50cmとし、最良の遠方矯正視力下で行った。

また、応答時間についても検討するため、検査時間についても年齢別に検討を加えた。

 

III. 結果

1. Moreland等色値の解析

図1に、42例61眼におけるMoreland等色値の中央値の測定結果を示した。横軸は年齢であり、縦軸はMoreland等色の中央値である。加齢に伴って中央値は、短波長(青)側へ移行する傾向が認められた。年齢とMoreland等色の中央値との相関係数は-0.223であり、Y=47.202-0.055X(R2=0.05、p=0.0836)の回帰式が得られた。しかし、図から分かるように個人差が大きく、若年者においてもばらつきが大きいことが示された。

42例61眼の各年代におけるMoreland等色の中央値の範囲は、20歳代で42〜54、30歳代で37〜53、40歳代で42〜46、50歳代で37〜48、60歳代で41〜48、70歳代で42〜48であり、その平均値と標準偏差は、20歳代で46.636±3.430、30歳代で41.188±4.764、40歳代で44.667±2.309、50歳代で42.636±2.873、60歳代で44.800±3.114、70歳代で46.0000±2.708であった。

 

 

 

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