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《英語の語音聴力検査》

語音明瞭度測定の検査語表として、語音聴力検査用のCD(Q/MASS: The Massachusetts Eye and Ear infirmary, Boston and Qualitone)に収録されているCentral Institute for the Deaf(C.I.D.) Auditory Test W-22 listのうちの1表50語(表1)を用いた。この50語は雑音負荷の条件ごとに配列を変え、オージオメータを通して聴取させた。

負荷雑音として、オージオメーターに内蔵された加重雑音と白色雑音の他に、B-767機の操縦室内でデジタル録音されたものを加工して用いた(以下操縦室内雑音)。操縦室内雑音は1994年の航空機乗員医学適性研究報告書で使用したものと同一で、以下のとおりに加工されたものである。音源として全日本空輸株式会社乗員訓練センター下地島訓練所において、B-767機の操縦室内でデジタル録音されたものを使用した。音圧の経時的変化の少ない巡航中の約5秒間をデジタルサンプラーに取込み、パーソナルコンピューターによりスムースな結合となるように加工した上でループ再生した。さらに、使用するヘッドホンの特性を考慮し、60Hzのハイパスフィルタ(24dB/oct)を通した後、デジタルオーディオテープに録音したものを操縦室内雑音とした。

再生した英語語音と負荷雑音をオージオメーター(RION MODEL AA-72)に入力し、ミキシングしたものをヘッドホン(RION AD-02)を介して被験者の右耳に与えた。

検査に先立ち、語表CDに録音されたレベル較正用1000Hz純音をオージオメーターのVUメーターの0dBに調節した。さらに語表CDの較正用1000Hz純音と負荷雑音(加重雑音、白色雑音、操縦室内雑音)をオージオメーター(RION MODEL AA-72)を通し、ヘッドホン(RION AD-02)で再生した。この時のヘッドホン内の音圧を6ccカプラ(人工耳B&K type4153)とメジャーリングアンプ(B&K type2636)を用いて測定した。

英語語音明瞭度の測定において、加重雑音もしくは白色雑音負荷時には、語音検査レベルを62dBSPLに固定し、負荷雑音レベルを56dBSPL、61dBSPL、66dBSPL(S/N比でそれぞれ+6、+1、-4)と3段階に変化させて負荷し聴取させた。

 

 

 

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