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里親と児童間に生じた何らかのストレスを配慮し、また家庭復帰がきわめて期待薄ななかで、ケアの留意点は、施設が児童にとっての何よりの安全基地として機能すること、依存から自立への欠かせない生活の基盤となることであることが伺われた。

児童養護施設の社会的養護に占めるウエイトの高さを考えるとき、法制度に加えらえた自立を支援する役割の大きさは、このような点からも十分に伺われるところである。

 

5. 里親制度の今後

 

両調査を通じて示唆された里親制度の問題点のうち、児童福祉上の里親の意義とその資質、専門性については、それぞれのところでふれてきた。ここでは最後に、これまで常に問われてきた養子縁組制度とのかかわりについて考察を加えたい。

 

 

 

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