日本財団 図書館


その結果、養護問題が解決していない故に、社会的養護上圧倒的ウエイトを占める養護施設に移行せざるを得なかったという状況が伺える。

里親から施設へ措置変更された主要な理由は、里親側:児童側:児相側がおおむね6:3:1であった。里親側、児童側であげられた主要な理由、即ち児童の行動を理解できない、児童への過剰な期待、里親としての未熟さ、児童の里親家庭への不適応などの背景を探ると、つまるところは里親としての資質、備えるべき専門性や適性上の問題と不可分になってくる。

ここで、先の調査〈その1〉で検討した内容と関連させて考察したい。行政調査結果では、里親への委託効果が上がり、順調に解除・変更している事例の割合は非常に高かった。しかし、里親委託が解除される理由として、養子縁組が極めて高い割合でみられ、児童福祉上の本来的目的の一つである家庭復帰や児童の自立の割合は低かった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION