我が家に来てからは、当初言われていた通り、入院退院の繰り返しで、患部から出血が始まると、血小板が少いものですから、何日も滲み出るように出血が続くのです。
ある朝、目覚めてKちゃんの横に手をついたら、ブジューッと言う音に思わず手を引きますと、手が血で真っ赤に染っていました。夜中に出血が始まって、それが自然に止血されていたのです。身の震える思いで神に向って合掌致しました。ある時は、血液が細い糸のようになって一メートルも飛んだ事がありました。寸時も心許す時が無く、心身ともに疲れ果てた思いの時もありましたが、値千金の笑顔で私達にしがみつくこの子は、大自然の大いなる命の御親が絶対の信頼をかけて委託して下さったのだ、私達夫婦にとって最上無比の宝物なのだと自らにも言い聞かせ又「Kちゃんはお父さんの宝物」と言って抱きしめてやったものでした。
こうした月日の流れの中に、施設での栄養士が計算して作られる完壁な給食とは又違う「欠乏しているものが食べたくなる」と言う自然食の我が家の生活に溶け込むにつれて、精気が満ちあふれて来ました。我が家に来て最初に食したものは、家内の手作り味噌の味噌汁だったんです。ズルズルズルーッと本当に美味しそうに食べてくれました。