また、調子よく、本読みやプリントの宿題も終わり、身仕度をして家を出たはずの彼が、もう家にいるはずのない時刻に、友達を迎えに行って、その家の人を驚かせたり、自分のほうが早く集合場所についているのに、みんなが来るのを待たずに、すたすた先を行っていたりと、至ってマイペース。OKさんならずとも、時間に余裕がなければ、待たされて苛々しない訳がない。苦情を言われても仕方がないとは思うものの、手を掛けられていないのではないかという前提で話されると、やはり、心に引っかかる。
NYは、大抵私と一緒に起き出してくるので、出かける前の仕度にかかる時間も、平生ならば十分あり、今のところ、学校に行くことを渋るということもない。ただ、彼の側には、集団登校を最優先させなければならないと言う理由が、何もないだけなのだ。力づくで強制しても、彼は決して屈しないのだから、周囲の人たちとの心地好い関係を育てる中で、折り合いをつけていくしかないのだと思う。
NYのマイペース振りは、学校でも遺憾なく発揮されていて、休み時間に観察用に飼われている池の魚を捕まえようとしてずぶぬれ状態になり、シャツ、ズボン、靴などを入れたビニール袋をぶら下げて、体育着に上履きという出で立ちで、下校する羽目になったり、始業前に、事務室や職員室をのぞきに行き、ついでに、体育館への渡り廊下を走って滑り、頭を打って、脳外科のお世話になったりと、枚挙に暇がない。