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それから夏休みを利用して子ども二人で、途中駅まで送り、一本電車に乗れば行ける様に着く時間を知らせ、到着駅迄祖母に来てもらい、二人で出掛ける様にもなりました。今度、主人の方から「どうも我家は男ばかりが多いなあー」保育ママで預っているのも男の子でした。「今度、女の子を預かってみようかね」。それを機に相談所の先生にお話しを進めてもらい、昭和60年3月1日、男女の双子を短期里子として預る事になりました。でも短期が長期となって現在に至っています。

男の子にちょっと軽度の障害があるが、日常生活は大丈夫と思っていたが、これが後に補装具を装備する事になってしまうのです。妹の方は耳が悪いが施設で完治証明をつけて我が家に来ました。あまり言葉を聞き取る事が出来なかったのか、笑顔のない、いつもむっつりした、気難かしい顔をしているので、私も両耳を手で塞いで人の声を聞いたり、話したりしたら、確かにはっきりと声は聞き取れず、意味不明でしたので、皆が笑っていても、この子には笑いがないのでした。それから大きい声でゆっくり話しかける様に心掛けていたら、自然に顔もにこにこよく話しもする様になり、もうこれで安心かなと思っていたが、自分の思ってる事を言葉にして言えず、いつも損ばかりしていました。

 

 

 

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