その夜は、A子は食事はいらないと言って、一人で過ごした。
(12) 実母と妹たちの説得
ある日、A子が勤めに行っている時間帯に、実母と、ホームで育ち今は実母と暮らしている妹たち3人に事の次第を伝え、A子の日頃の行動について率直に話し、相談した。今A子のわがままを許してしまうと生涯反省する機会を失ってしまうかもしれない、A子自身にとってもよくない、保証人を頼まれてもはねのける事が親や姉妹の愛情であり、必要であるから協力してほしいと説明した。それぞれよく納得し、協力を約束してくれた。
A子は、それから間もなく、妹たちの所へ行ってくると言って出かけた。帰ってくるや否や、「私は考えていることが浅はかでした。迷惑かけました。反省しますので、ここで今までどおり生活させて下さい」と言って、手をついた。アパート暮らしをあきらめたA子はおとなしく生活を続けていたが、もう一つ心が晴れないことがあった。