17年も経った今でも、このときのショックを思い返すと、私は涙が止まらない。
(4) 食生活の改善(ふりかけ作り)
4人の里子を迎える以前から、ここでの生活を求めてやってきた少年たち、実子を含め、我が家は大家族になっていた。私たちの家「横堀ホーム」の生活に加わった子どもや大人の人たちの今までの食生活を聞いてみると、かなりの偏りや不足が目立ち、早急に食生活の改善の必要、栄養がありバランスのとれた食物を充分にとることから始めなくてはと痛感した。私は引越しの荷物の中から食品成分表を探し出し、とくに良質のたんばく質やカルシウムの多い食品を紙に書き出した。また、乳製品、魚類、豆、青菜、海藻類等を必要としていることがわかった。夫は「暑さがほとぼりさめたら大根の種をまくぞ」と言った。
2学期が始まった頃、桑畑の隣にホースで水をひき、種をまき、のびるのを待った。大根ができた頃は、晩秋になっていた。家の周りでは酪農をする近所の方々のサイロ詰めも済み、作物の収穫に忙しい方たちのお手伝いをしたり、軽四輪車にのせてもらったりと、変化の多い田舎の暮らしを子どもたちはとても喜び、次第に元気が出てきた。