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あっという間に、一ヶ月がたちました。仮入部が終わり、本入部に決める日に先生は私に、「一ヶ月やってきて体力的にも大変だったと思うが、続けるか、止めるかは、自分で決めなさい。」との先生の言葉に、私は「ありがとうございます。先生、私、続けます。3年間がんばります。」と、先生は「がんばれ。」と、やっと認めてくれました。

それからの毎日は、勉強よりも明けても暮れても、体操でした。一年生の秋には新人戦があり、私の初めての試合でした。私が試合に出ること事態、びっくりです。それは、器械体操というスポーツは特殊なスポーツで部員が少なく、まして、中学時代に経験あった人でも辞めていくという私には絶好のチャンスだったのです。自分ではチャンスと思っていても、体がまだついていかず毎日が猛特訓です。しかし、練習のかいあって、ばく転や、宙返り、跳馬も跳べるようになり、平均台、段違い平行棒と、一応かっこうがつくぐらいになりましたが、無惨にも、優勝は出来ませんでした。

この日を境に私の気持ちの中で、悔しい、負けるもんかという気持ちにさせたのは、この試合に出てからです。それまでの私は、みんなに迷惑かけなければいいやとか、卒業するまでばく転の一つや二つ出来るになればいいやとか、そんな程度にしか思っていませんでした。

 

 

 

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