しかし負けたとはいえ、この試合に出場させて頂いたおかげで、私の気持ちに「勝ちたい。」という気持ちが、生まれていったのです。
それからの私は、人が変わったように、練習の仕方や、筋力作りに精を出しました。「次は、来年の高校総体だ。」と自分に目標を持たせて、毎日、トレーニングに励みました。先生も次第に「お前、本当に中学の時やっていなかったのか。今のお前なら高校総体に通用するぞ。」と先生も目を見はる程の上達でした。
先生の太鼓判付きで高校総体は優勝する事ができ、そして、東北大会、ミニ国体、そして奈良県で開催された、わかくさ国体に出場する事ができました。それもこれも、陰で私を支えてくれていた、お父さんと、お母さんのおかげだと本当に感謝しています。力(ちから)の足りない私に、大工をしていたお父さんが、鉄棒を家の中に作ってくれたり、いらない柱を平均台の替わりだと、家においてくれたり、けがをしょっちゅうしていた私を病院や学校に送り迎えをしてくれたお母さんがいたから、ここまでがんばれたんだと思っています。この感謝の気持ちを忘れずにいられたら、親不孝をしないですんだのにと、今思うと反省の気持ちでいっぱいです。