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私は「八軒中学でしたが、体操はしていません。」と答えた途端に先生は、「何、お前は中学時代に体操もしていないのに、高校から体操できると思うのか。」と、先生は私に聞いてきたが、私も「はい。がんばってやっていきたいと思っています。」と平気な顔をして言うと、まだ先生は「だめだ、無理だからダンス部か違う所に行った方がお前の為だから。」と先生は私を説得してきたが、私は「いやです。器械体操がしたくてこの高校に入ったんです。私は選手になれなくてもいいんです。絶対に迷惑はかけません。この部に置いて下さい。」と、頭をさげて先生にお願いしました。すると先生は極めつけに「お前は、この学校が宮城県で何年間も優勝している伝統ある部でも入部すると言うのか。」と言われ、私も意地になってしまい「はい、先生に何度言われても私は器械体操がしたいんです。お願いします。」と再度、頭をさげました。先生は、納得はしてはくれませんでしたが「わかった。仮入部の一ヶ月がんばってやってみろ、それから決めなさい。」と言われて、私も「はい、お願いします。」と、やっと挨拶が出来ました。

しかし、現実は思っていた以上に苦しかったです。正直に言って、コマネチに憧れ、オリンピックなどテレビの画面でしか見た事のない世界に、中学時代に経験もなく、いくらモダンバレエを数年習っていたとはいえ、筋力トレーニングは地獄の様な毎日でした。

 

 

 

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