聞かれたのは5歳からで、必ずお風呂に入っている時でした。最初は「お母さん、ボク生む時痛かった?」です。(テレビで出産シーンを見てだと思います。)「お母さんは赤ちゃんが生まれない病気だから、K男は生んでいないの。だから神様に毎日々々お願いしていたらK男が家に来てくれたの。」と話しました。忘れた頃に又同じ質問が6、7回、きっと今度こそお母さんから生まれたんだよ、という返事を期待しているのが解りましたが、答えはいつも同じにしました。6歳になると、それも必ずお風呂で「ボク、どこで生れたの。ボクを生んだお母さんは?」これも何度も聞かれました。そして小学1年生の夏、学童保育所(今の私の職場で、母が留守の日だけK男も来ます。)で、おやつを食べている時、突然「ボク、お母さんのおなかから生れていないんだよね。」と皆に話しました。私はとっさに「うん、そうだよ。」と言うのが精一杯でした。それを聞いていた子供達は一瞬「ん?」という顔になりましたが、何事も無かったかの様におやつを食べながら他の話題になりました。この時K男なりに理解出来ていたのかなと思いました。そして2年生の4月、弟が出来る事になり児相へ面会に一緒に連れて行った時「児童相談所って、そういう所だったんだ。」と言えるまでに成長してくれました。