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平成9年度と10年度は、42件と58件です。これは、保護所や施設が定員いっぱいのため、一時的な短期の里親委託が増えたからだと思います。なんとか、養子縁組前提も含めて長期の里親委託の数を増やすために、行政のとりくみ、私たちの努力をしなければならないと考えています。

印象に残っている事例を紹介します。途中からかかわったケースもあります。

 

1]A子さんは、未婚の母の子として生まれ、産院から直接乳児院に入所しました。里親委託方針がでたのは2歳すぎてからです。面会に来ていたお母さんが、途中から行方不明になり家庭引取りを前提として児童養護施設へ変更するのか里親委託にするのか決められなかったからです。ようやく母親の同意を得て里親委託方針を決め会議で適当な里親さんを検討しました。女の子を希望している養育経験のある里親さんに話をもっていきました。里親さんの実子と一緒に何度も乳児院に面会にいっていただき、すっかり慣れたところで、委託になりました。乳児院では、明るく元気で里親さんもとてもいい子ですねとおっしゃっていたのですが、委託後1か月位から、家庭訪問したときの様子がかわってきました。

 

 

 

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