また、御自身は子どもは好きではないのに配偶者のためにあるいは家を守るためにそのことを隠して登録した里親さんに委託してしまったこともあります。結果不調になり、後でそのことが明らかになるわけですが、事前の調査不足や、児童相談所の力不足、やりきれなさを感じます。委託がうまくいかないと、つぎの里親委託にとても慎重に臆病になります。ましてや、里親委託は、委託までのプロセス、その後のフォローと大変なエネルギーを必要とする一方で、最近の養護ケースの増加、特に虐待ケースへの対応等に追われ、里親さん宅への家庭訪問も思うようにできない状況にありますのでなおさらです。
しかし、乳児院で生活する子どもたち、児童養護施設で生活する子どもたち、里親委託された子どもたちをたくさんみてきました。そのなかで、本当に実感しているのは、子どもたちには、暖かい家庭が必要だということ、子どもたちに長期に施設生活をおくらせてはいけないということ、特に乳幼児は長期の保護になるときは、施設ではなく里親に育ててもらうことが必要だということです。このところ、県の毎年の新規委託件数は年間30件前後で推移してきました。