ところが段々、今ずーっとお話をしていた背景から、ここには児童福祉から子どもを家庭福祉へという言葉が出ていますが、どの家庭にも子どもを生み育てる事で、いろんなハンディキャップが生じている。
ですから親だけに任せるのではない、むしろ第二条でいういろんな行政責任を、しっかりやらなければいけないけれども、もっと社会が幅広くどの子育て家庭も、子どもを安心して生み育てるようにしなくてはいけないという事が、少子社会の中から段々重要視されてくるようになりました。
そこで児童福祉における里親の役割、子供家庭福祉における里親の役割という事、分かり易く申し上げたいと思います。
これ迄の仕組、里親制度とか里親の事業といいますのは、児童福祉における里親の役割という部分が圧倒的に多かった訳です。ここで何を申し上げたいかといいますと、例えば、虐待を受けたり、捨て子になってしまったり、或はどうしても家族関係が難しくて家庭の親の所で育てられない。
そういう養護問題を持った子供達にとって、日本では乳児院とか児童養護施設、里親、この制度が一番対応する訳ですね。その子供達というのは、保護に欠けている、昔から言えば、保護救済しなくてはいけないという主旨の子供達、その事で一生懸命エネルギーを注ぐ仕事、これが従来の児童福祉な訳です。
子供家庭福祉における里親の役割といいますのは、まだ、そんなに馴んだ部分ではないと思うんですが、例えば里親の皆さんが自分が住んでおられる所で、先程のような背景から、誰かもうちょっと自分の子供の事に関心を持ってほしい。或はきちんと相談を受けてほしい、或は少し自分の子供を預かって欲しいというような、どの家庭でも起こりうる様々なニーズですね、それに対応する役割。
従来の受け止め方でしたら、どうして里親さんがそんな事までと思うかも知れませんが、今、これからを見ていった時に、実際には里親の皆さんの中でも、もうすでにそういう事を進めておられる方が全国的にはおられますが、いよいよ本格的にこれを考えなくてはいけないという時期を迎えているかと思います。
そこで?番目の所、ここでも、「これからの里親制度、里親事業への期待」という事で4つ挙げていますが、少し具体的に申し上げていきたいと思います。子供にとって子育てという言葉をどのように受け止めるか、やっぱり子育てというと、大人や親が子供を育てる。育てる育てるという部分ですね、これがイメージとして強い。
しかし、最初に申し上げましたように、子供は育てられなくては育たないけれども、非常に適切にうまくバックアップしてくれたり、むしろその時は、じーっとあんまり手を出さないで優しく見守ってくれゝば、或は困ったりしている時に、叱咤激励も含めてうまく導いてくれれば、本来持っている可能性を発揮できる。それが人間として生きる力、自立する力をしっかりと育んでいける訳ですね。
日本の風土はどうしても子育てというのは、文字通り育てる育てる。具体的にいうと引っぱっていく、親や教師や大人の思う方向へ子供をという部分があります。しかし子供の側から見た時、子供は育ちたいんですね。言葉では表現できない、頭ではどういうふうにも作り上げられない何か批判的なニーズです。
自分には沢山の可能性がある。こういう事をやっていきたい、或は自分の適性とか能力とか、素晴らしい人柄の部分とかいろんなものを擁してる訳ですね。可能性を沢山持っていますね。そこをしっかり見てくれる親や教師や大人達がいれば育つ、そしてある程度進んだら、もういい意味でほったらかしてほしいという育ち方ですね。自立する時、それは私が責任をもちますよという育ち方、そのような面で、先ず何よりも心理的親としての里親が重視されます。
この場合、今迄の里親制度の流れで一番大事だった事は、それでなくても子供は、子育て環境としてはハンディキャップを背負って生まれ育って来ている場合が非常に多い訳ですから、特に心理的親の存在っていうのは何か重要なエキスですね。