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それから保育園の保母さん達ですね。法律改正で保育士となりました。今年の4月から保育士という言葉になりましたが、保育士とか里親というのは典型的な社会的親なんですね。よくよく見ていきますと第一条は、里親のような存在は、とりわけその役割を果たしているというふうに受け止められますが、もっと積極的にいえば、里親になっている人もなっていない人も私達はすべて子供を育てる責任があるんだ。結婚しないから「えー私子供なんか生む事考えた事もないですよ」、誰か親戚の人が赤ちゃん生んで「わーそれはおめでとう、男の子女の子良かったですね」でわりと身内ですら終る事もありうる訳ですね。まして、近所やどこかで子供が生まれても一般の人は殆ど関心がない。

子供が生まれ育つというのは家庭なんですよ、家庭というのはプライベートなとこなんですよ、という受け止め方がかなり日本では定着していた訳ですね。ところがむしろ第一条は逆の理念をもう示していました。そしてさらに第一条は、全ての児童は等しくその生活を保障され愛護されなければならない。これが法律に表現されていますよね。

どんな子供でも一般家庭の子供もそうですし、重症の心身に相当ハンディキャップを負っている子供でもそうですし、親から虐待を受けている子供でもそうです。そういう福祉の何か区分をする差別するではなくて、どの子供も等しく生活を保障され愛護される。そうしますと、里親に預けられている里子とか、児童福祉施設で生活している子供達が、何か税金で守られて生活している。という一般の人の何にでもある独特のセンスですね。何かそれが肩身が狭いというふうに思わせる方向になっている。これなどはもう第一条の理念、およそ正反対のものといっていいでしょう。

むしろもっともっと私達は深く広く受け止めていけば、何かこういう貴重な存在、次代を担う、又、社会を受け継いでいく子供達、この貴重な存在に私達は何か貢献したいという事すら第一条は意識化させる内容を持っています。なかなかその部分は表に現われにくかった訳ですね。里親さんがよそ様の子を預かって育てている「結構な事ですね、御立派ですね、努力も大変でしょう」、そういう中で「私は関係ないです」という事を、どこかで示すような部分がありますね。

第一条はそういうような事をもっともっと越えた大切な考え方、これを私は子育ての社会的責任というふうに言いますが、親だけではなく全ての人、そして様々な社会的な親が、とりわけそういう事に果たす役割、これを先ず、改めて明記する必要があるかと思います。

それから第二条の方は、里親さんの場合には児童相談所の措置という委託によってお子さんを預って、というこれは第二条に関係する事なんですが、又、ちょっと堅苦しい表現、数十秒ちょっと我慢して下さい。

「国及び地方公共団体は保護者とともに児童を育成する責任を負う」と書いてます。保護者と共に子供を育てるのは実の親だけではないですよ。保護者だけではないですよという事が第二条で、とりわけ国と地方公共団体の子育て責任、これを明示してる訳ですよね。そうしますと里親の皆さん方が子供を預かって育てているというのは、具体的にはこの第二条に基づいています。

本当は都道府県や指定都市の責任、権利義務でやっている事ですから具体的に言えば、知事さんが子供を育てる責任があるんですね。そうすると、知事公邸をどの位大きく作ったら自分の所で育てられるでしょうね。制度上で言えば、知事が育てる訳ですから、知事さんは何人もの子供の里親になったりという事になりますが、そんな事はできっこない。そこで様々な施設や里親さんに、有償とか委託という形で、公的責任を果たしている訳ですね。ですから貴重な公費がそこに注がれている訳です。第二条は、子育てに関する公的責任といっていいでしょう。里親の業務・役割というのは、これ迄はほぼ第二条に沿っていたものです。

 

 

 

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