<2> 全国里親会を中心にして、今日及び将来重要な課題とされる事柄に焦点を当てたマニュアル、Q&Aなどの専門情報、必須情報を里親に提供する。また、全国里親会及び各地方里親会は、従来の研修体制を現実的に、質的に強化し、とくに今日及び将来にわたって重要な課題となっている事柄に焦点を当てた研修を重点的に実施する。
<3> 各地方里親会は、上述の主旨を積極的に実行に移せるように、これらにかかわる事業を積極的に展開し、相互の、また、関係諸機関・団体との連携、協力に努める。
<4> 里親会と社会福祉協議会との連携、協力を深め、社会的養護の体系全体を視野におき、その強化、充実に努める。
<5> 里親会と都道府県・市町村との連携を密にし、利用希望者の選択に資するため、里親制度の運用や里親に関する情報を地域住民に提供する体制を整備することが必要である。なお、情報提供にあたっては、里親・里子のプライバシー保護に十分配慮する。
VI 「里親」の名称等について
1 主旨
「里親」の名称について、今日の状況にふさわしいものとするよう、従来から提言されているが、本検討会もその意見を積極的に支持するものである。その実現に向けてさらに働きかける必要がある。
また、1996年(平成8)年の提言では、現行児童福祉法第27条第1項第3号で定められている里親の定義について、これを独立の条文とすることについても強く要請しているが、本検討会もその実現が図られるように強く望むものである。
2 具体的名称
現行の「里親」の名称を、「養育家庭」とする。
〈註〉
長期里親:社会的養護の一環として、数カ月以上数年間乃至長期の年数にわたって里子を受託し、ケアする里親
短期里親:社会的養護の一環ではあるが、おおむね1ヶ月以内の比較的短期間里子を受託し、ケアする里親
専門里親:特定の児童に対するケアの専門性を有し、且つ委託の要件が付され、手当の加算等が配慮されるべき里親の総称
乳幼児里親:専門里親の一種で、委託の要件として乳幼児のケアに関する専門性を有していると認められる里親
思春期里親:専門里親の一種で、委託の要件として思春期にある児童のケアに関する専門性を有していると認められる里親
障害児里親:専門里親の一種で、委託の要件として心身に障害のある児童のケアに関する専門性を有していると認められる里親
情緒障害児里親:専門里親の一種で、委託の要件として情緒に障害のある児童のケアに関する専門性を有していると認められる里親
親族里親(キンシップ里親):伯父、伯母など親族であって、その児童のケアに関する適性を有していると認められる里親
ファミリー里親:一定数以上の児童をケアし、住居借り上げ費、人件費等の加算が配慮されるべき里親
一時里親:保護者が、緊急又は一時的な理由により家庭養育が不可能な場合に、その間その児童を受託してケアする里親
ショートステイ里親:保護者が月、週のある期間、あるいは日中のある時間、家庭養育が不可能な場合に、その間その児童を受託してケアする里親
保育里親:乳幼児等が、恒常的あるいは一時的、緊急に日中のある時間、保育に欠ける状態にある場合に、その間その児童を受託してケアする里親