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以前、雑誌に「CAMP TO BE-LONG」というボランティア組織の里子に対する活動が紹介され、その活動に感銘した講演者はその組織とかかわりを持つようになり、現在のリサーチにも参加することとなった。

今回の講演では、心理学的に見た里子制度についてのリサーチ内容を報告。

 

2. リサーチの目的

1]里子状態の兄弟・姉妹の間柄を把握する。

里子に出されている兄弟・姉妹同士の間柄、里親家族との間柄を調査し、里子制度の実態を把握する。

2]里子であるために離散した兄弟・姉妹の心理学的・社会学的・法学的に見た学生研究を発展させ、離散した兄弟・姉妹の間柄や地域社会内での制度について研究を行っている。

その他、人々の間柄についても研究している。

 

また、血のつながった子供達が共に生活できるように働きかけ、弁護士や心理学者の意見を参考にし、里子制度の研究を行っている。

 

3. このリサーチを通じて気づいたことと行ったこと。

アメリカ合衆国では、14もの大学で様々な制度の研究が行われている。例えば、ハワイでは里子のサバイバルシステムについての調査が行われている。

また、今回の活動では他のリサーチ団体とも情報交換を行っており、何をして、何を証明したのか、またその背景知識を分かち合った。

他の里子制度での成功例を紹介し、自分達の経験からの意見交換も行った。

 

このリサーチを通して里子の兄弟や姉妹の体験談や、その兄弟達の離散生活について述べた資料があまり存在しないのに気づいた。今後、このリサーチの産物として里子兄弟・姉妹の体験をつづり、現在、里子である人達からの意見・体験なども把握していきたい。

また、里子を援助する法律体制があまり整っていない現在の状況をふまえて、今後このリサーチでは、さらにその実態を追求し、里子の未来を切り開いていきたいと考える。

 

○題:パートナーシップ、ケアチーム ワークショップ

ケアから独立へ

講演者:イギリス里親協会(NFCA)

1 NFCA青少年プロジェクト (スコットランド)

ケア出身者の25%が、その機関を出てから6〜18カ月後にホームレスになっている。当初、NFCA青少年プロジェクトは若いケア出身者がホームレスにならないような対策を、前向きに考えていこうと始まった。このプロジェクトは、Through care after care(ケア中とその後の指導)を通して、ケアをする側、社会福祉士、住宅アドバイザーと共にフォスターケア国内基準に基づき、様々なセミナーや会議、トレーニング、ワークショップなどを地元の自治体と協力して実施している。

 

2 児童パネルシステム

児童パネルシステムはユニークなシステムでヨーロッパでも珍しいものである。パネルは保育経験者や青少年の福祉に興味のある人3人が選ばれて構成される。パネルのメンバーは、子供と共に話合い、その子にとって何が一番必要か、どんな福祉が提供できるかなどを決定するもので、子供を叱ったり、罰したりするためのものではない。問題児もパネルの対象となるが、その子供にとっての最善策を検討し、話し合うためで、罰するためではない。子供を全ての角度から見て、どのようなケアが必要か、里親の元で暮らすのがいいか、居住ケア(residential care)がいいかなどを、子供と親、教師達と共に検討する。

 

 

 

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