神社の神がヨボ(リョウーブ)の木に降臨したというので、幣軸はヨボの木である。神域へはいるとそれぞれの御幣持ちはあたかも軍隊の旗手のように御幣を捧げ持ち、大御幣に神を移す。大御幣は幅一メートルほど、小障子に幣軸を通したようなもので、大量のしでを貼り付けてある。神移しはゆったりと厳かに行われるが、その後、大御幣は大勢の若者にこずかれ引き回され、社殿に入るときは幣軸だけになっている。餅細工の神饌や、真っ赤な着流しの衣装の優稚な王の舞など静的な祭りの中で、荒々しさの強調される場面である。
<福井県立博物館>