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図11]埋葬儀礼の配置図

棺は、慣例として北に頭を向けて埋められる。埋葬が済むと、まずは后土をまつる。墓の東北側にじかに供物を置いて儀礼をおこなう。図中aは紙銭、bは白酒、cは寿頭、dは線香である。次に故人のまつりをおこなう。供物は、基本的に同様のものが使われる。

 

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図12]埋葬儀礼の過程

1・この事例では16人の墓掘りが一人20元(約300円)でやとわれていた。この作業が続いている間、故人の息子はただ見守るのみである。

 

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2・埋葬が終わり、墓標がわりの楊柳が植えられると、まずは后土のまつりがおこなわれる。故人の息子の横にいるのは風水先生だ。墓の位置や方向、埋葬の日取りを決める他にも風水先生は儀礼全般の指導もしなければならない。

 

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3・故人へのまつりが済んだ後、花環が燃やされて、墓地での埋葬儀礼は終る。

 

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4・儀礼の終った墓地。周囲の楊柳は、みな墓標だ。

 

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図13]墓参儀礼の配置図

基本的な儀礼および供物は、埋葬儀礼と同様である。ただし、祖先にささげる供物に模模(図中e)と四種類の料理(図中f)が加わる。図中gは白い御幣状のもので、墓参に来た印として墓に挿す。

 

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図14]さまざまな模様

写真左はかたつむりを模したもの。これは既婚の女性をあらわす。右は二羽の燕を模したもの。これは未婚の女性をあらわしている。また、未婚の男性用には二羽のうさぎが使われている。このように、墓参に来ない家族成員をあらわす模模を墓前にそなえるのだ。

 

 

 

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