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図4]「姜太公在此之諸神退位」の位牌が貼られた建設中の住宅

赤い紙製の位牌に書かれる文句は、「姜太公在此神位」となったり、写真のように何も書かれていないこともある、建設中の建物の奥から向かって左手に貼られることが多いようだ。

 

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図5]土地神の位牌

図のような土地神の位牌は謝土および土地爺誕生日のときに共通して用いられる。必ず黄色の紙が使われているのは、土をあらわす色が黄色であるとする五行説によるものであろう。また、文面は、さまざまなものが使われているが、いずれも土地神が複数人で一家をなしていることを示している。「奉供九壘高皇大帝土府土翁土母土子土孫一切衆土君老爺之神位」、「奉供土翁土母土子土孫合家之神位」、「奉供土公土母土歳土子土孫諸神之位」などがある。また、儀礼で使われる供物が、五つずつあることから、土地神は5人家族であると考えられているようだ。

 

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図6]謝土および土地爺誕生日の祭具の配置図

a・土地神の位牌

b・土地をもった椀(謝土の場合は敷地内の土を使うが、土地爺誕生日の場合は敷地外、とくに城壁底部の土を使うことが多い)

c・ゆで卵二つと鶏、魚、豚の頭の模様(饅頭の一種)

d・銅銭をしいた供(大き目の饅頭)

e・白酒

f・五種類の野菜料理

g・寿頭(小さめの饅頭)四つのった皿

h・粟の入った椀に三本の線香をさしたもの

i・赤いろうそく

 

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図7]謝土のルート

建設された建物の中央に図7のような祭壇をしつらえ、建物奥に向かって儀礼をおこなう。正房から方位の序列にしたがって順番に儀礼を終了していき、家財道具の運搬が始まる。

 

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図8]さまざまな位牌

図2]の風位先生が用意していた位牌の一部。詳しいことは明らかでないが、建設儀礼で使うらしい。東・西・南・北・中の五方位を五行にあてはめた火徳大帝などの方位神、日を司る神、土地・門神など多種多様の神の位牌が用意されている。

 

 

 

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