どちらも、数が少ないのでタイプ分けの対象外とする。長屋を3タイプに抽出した系統図は次のとおりである(図2-28)。
平屋型 町家の平屋型と同様、2階がない長屋である軒裏構造はないものが多い。
低二階長屋型 低長屋は江戸時代の長屋であるといえる。2階壁面が塗籠になっている家はないが、袖壁がついているものもある。軒裏構造は低町家に比べるとせがい構造よりも軒裏がないという方が多い。建築年代は古いと思われる。
高二階長屋型 長屋の中で最も多く存在する形である。長屋建が普及したころに建てられたといえるので、建築年代は新しい。したがって、2階開口部はほとんどが窓で、格子はわずかしか残っていない。袖壁などの昔のディテーイルはまったくみられないし、1階開口部も今風の家が多い。