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しかし昭和24年(1949)から同年28年(1953)にかけて長崎市内の復興が進むにつれ、大村に移転していたほとんどの学校が、再び長崎に引き上げていった。こうして学園都市の夢も断ち切れてしまった。

城下町、軍都としう姿をもってきた大村市は、現在、長崎空港、及び長崎自動車道が交差する県央の交通主要都市としての新しい姿を作りつつある。長崎空港の年間利用者数は、約200万人であり、県内への空の玄関口となっている。ただ現在の大村市の最も大きな課題は、大村市に降り立った200万人の人々を、いかに長く大村の地にとどめ得るかという問題である。空港から長崎、佐世保、あるいはハウステンボスへの単なる通過都市にならないよう、懸命の努力がなされているところである。

 

参考文献

藤野保編(1982):『大村藩郷村記』国書刊行会

大村史談会(1973):『大村史話』上・中巻

久田松和則(1989):『大村史』−琴湖の日月−国書刊行会

金井圓編訳(1974):『描かれた幕末明治』雄松堂

 

 

 

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